怒涛の一夜明け、人の優しさと軽い微熱を抱いて向かったのは、仏教四大聖地の一つクシナガラ(kushinagar)
アラハバット(allahabad)から夜行バスでゴーラクプル(gorakhpur)へ。
ここがゴーラクプルだと言われて降りた。地図アプリ見ていたのでおおよそ予想はついていたけど・・・
完全に町外れ。
周りを見渡せど何も無い。
しかも、到着したのは午前四時。
病み上がりだったこともあり、少しでも横になりたい。
歩いて町の中心まで向かうことにした。
そういえばインドで深夜の道を歩いたのは初めて。
路上で寝ている人の多さに驚いた。
日中も見かける多くの路上生活。実際にはもっっっと多くの人々が家を持たずに生活しているんだと、この時初めて気が付いた。
幼い子供から、老人まで。
自分のこれまでの28年間と、想像するアスファルトの上で寝る彼らの生い立ち。そのあまりの違いに、いろいろ考えさせられる。
歩くこと1時間。町の中心に着いた。
ゴーラクプルで1泊し、バスで2時間ほどでクシナガラに到着した。
クシナガラとは
これまで書いて来たように35歳で悟りを開いて、その後45年間インド各地でその教えを人々に伝えたブッダ。
年齢も80歳になり、死を意識し始める。
そして、生まれ故郷であるルンビニ(現在のネパールにある)を目指し旅にでること決意する。
しかし、その途中立ち寄った村で出されたキノコ(豚肉という説もあり)を食べて、激しい腹痛になる。
腹痛を抱えたまま到着したクシナガラでブッダは、弟子のアーナンダに告げる。
「 二本並んだ沙羅の樹の間に、頭を北に向けて床を用意してくれ。わたしは疲れた。横になりたい。」
そして、修行僧を集めて最後の説法を行う。
ひと通り教えを説いたあと、ブッダは自分が死んだあと後悔しないように、教えに関して最後に聞いておきたいことはないか?と弟子達に3度尋ねる。
そして、弟子達に疑問がないことが分かると次のように言った。
「この世の全てのものは滅びゆくものです。怠ることなく、修行し続けなさい」
これがブッダ最期の言葉とされている。
ブッダ80歳、入滅の話。
実際のクシナガラ
敷地内は綺麗に整備されており、緑がいっぱい。
中心に涅槃堂がある。
ヒンドゥー教徒が多数を占めるインドではクシナガラのことを知らない人も多く、ほとんど観光客はいなかった。
中には涅槃像があるだけ。
床に座って、ぼーーーっとただただ時間が過ぎるのを感じる。
ブッダが亡くなった場所ではあるけど、不思議とずっとここにいたいと思うような、静かで穏やかな空気が漂ってる。
そこから少し離れた所に(歩くと少し疲れる距離)ブッダが火葬されたとされている場所もある。
観光客はほとんどおらず、インドにしては珍しく(笑)穏やかな気持ちで、ゆっくり見て回ることができた。
というわけで仏教四大聖地、三つ目「クシナガラ」についてでした。
一つ目「ブッタガヤ」については→ȳこちら
二つ目「サールナート」については→こちら
次回は、ブッダが悟りを開いた瞑想の修行を実際にやってみた話。
明石、ついに悟りを開く?!
です。