私は日本人です! ~ベトナム(ハノイ)~

ベトナムで最初に入ったカフェで「台湾人ですか?」と聞かれました。

日本では何度も東南アジア人に間違われた。ならば、東南アジアこそホームグラウンドだろ!と期待したのに、初っ端から台湾人と言われる。

僕の安住の地はどこにあるのでしょうか。

どうも明石です。

教壇から離れてもう3年ほど経つので、そろそろ黄色信号灯りそうやけど、私、国語の高校教師でした。

・・・過去形?いや、世界一周から帰国したらもう一度、高校教師を目指します。

今回は国語教師っぽくベトナムの国語の話。

ハノイにある、ベトナムで最初に出来た国立大学「文廊」に行きました。

かつてベトナムで最も重要視されてた学問は、孔子を代表とする儒学。
お墓参りに行った孔子先生、お隣のベトナムにも、大きな影響与えてたとは思ってなかった。さすがです。

昔、ベトナムでは漢字が正式な文字やったから読めたらしい。でも、今のベトナム人で漢字読める人は、ほとんどいない。

美術館にも行って思ったけど、芸術の中にも中国文化をかなり感じる。

さて、ここからが本題。

中国から、文字や文化的影響を受けてるって、ある意味、日本と状況が似てる。特に言葉は興味深くて、ホステルのフロントのお兄さんに聞いてみたら、詳しく説明してくれた。

ベトナム語で「山」は
nui (ヌイ)
son (ソン)
の二種類、両方使うらしい。

これ日本語もそうや。
ヤマ
サン

中国語の「山」は(シャン)って発音やから、ベトナム語のソンと日本語のサンは、中国語から来たんでしょう。

ベトナムではもともと山を「ヌイ」って呼んでたけど、中国の影響受けてから「ソン」とも呼ぶようになった。

今のベトナム語は、ベトナム古来の言葉と中国語から由来した言葉があるんらしい。日本語と本当に似てる。

文字についても中国からの影響は大きい。中国から漢字が伝わって、日本人は文字を手にした。今、僕らが使っている日本語の文字は四種類。

平仮名・・・中国から伝わった漢字の全体を省略して日本人が作った文字。

※例(安→あ、以→い)

片仮名・・・中国から伝わった漢字の一部分を使って日本人が作った文字。

※例(阿→ア、伊→イ)両方、左半分からね。

漢字・・・中国でも使われてる漢字そのまま。

国字・・・中国から伝わった漢字を元に日本人が作った漢字。中国では使われていない。

※例(峠、畑、働など、かなり沢山ある。)

つまり、全て中国から来た漢字が元になっているわけです。

ここで、疑問に思う。

ベトナムも中国から漢字が伝わって使っていた。日本と同じ状況なんだから、漢字をそのまま使うか、漢字から文字作るかしそう。なのに、なぜ現在のベトナム語は

こんなアルファベットみたいな文字使ってるんだろ?

なんでだと思う?

答え。

「フランスの植民地だったから」

昔は漢字を正式な文字として使ってた。その後、ベトナム人も漢字を元にして字喃(チュノム)っていうベトナム独自の文字を作って使ってた。

だけど、フランスが入ってきたときに、フランスの宣教師がアルファベットを用いた表記法を生み出して、それが結局ベトナム語の正式な文字になったんだって。そして、今では漢字を読めるベトナム人は、ほぼいない。

面白い。
ひじょーに、面白い。

「中国からの漢字が伝わる」→「独自の文字作る」という所までは、日本と同じ。その後の占領で大きな差が出た。

ということは、第二次世界大戦後にマッカーサーが

「ニホンゴ、ダメダヨ。アルファベット、ツカイナサーイ」

と言ってたら、今ごろ日本語もアルファベット表記なってたかもしれない。

※気になって後日調べたら、実際、採用はされなかったけど、日本語のローマ字化計画っていうのがGHQの中で発案されてた!!採用されてたら、ホントに今頃、アルファベット使ってるかも。こわい。

と、テンション上がってここまで書いて思ったけど、この話、高校生相手に喋っても「興味ねー。つまんねー。」ってなるんやろな。笑

そう思いながらも最後まで読んでくれた方もいらっしゃるかと思います。どうもありがとうございました。

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