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勇気を振り絞って ~中国(南京大虐殺記念館)~

足取りが重い。

もう筋肉痛は治った。

原因はそれではない、今回の目的地。

中国来たからには行っておきたかった場所「南京大虐殺記念館」

日中戦争をきっかけに日本が行ったと言われてる大虐殺についての資料館。

今まで、長崎の原爆資料館も広島の資料館も、沖縄のひめゆりの資料館も行った。けど、それはあくまで日本が被害者側の資料館であって、ここは逆。

日本に酷いことされた人たちがどういう捉え方してるか、それを後世にどういう伝え方してるか、日本人として、戦争を知らん世代やからこそ、知っとくべきやと思って。

ここに日本人1人で乗り込むのは多少勇気がいったけど。

ここまで、全てのスポットで入場料しっかり取ってたのに、ここは無料やて。なんか、、、なんか、、、なんかやわ。笑

エントランスの銅像に

の文字

フィジーおる間とか、海外行くと「日本人」ってだけで、ある一定の信頼とか好感持ってもらえることが何度もあって、日本人って世界的に良いイメージなんやって実感と共に思ってたから、「日本」を「devil」と表現する世界があるってことにショック受けてもた。そういう世界あるって考えたことなかったし、まして自分がそこに身を置いたことなかったから、あーそうか、そりゃそうだよね。。。と、戦争やってんから当たり前なんやろけど、重いなー。
さぁ!どれだけ日本を極悪人の様に表現してるんか心の準備!!

って、覚悟してから入ったけど、個人的な感想としては、中国側の感情論は少ない、事実をそのままストレートに伝えてるって印象。それに、解説が中国語、 英語、日本語で書かれてる。

とはいえ、写真が伝えてるものは重く、日本人としてそれを見るのは結構つらいものがあった。

ただ、ここに書かれていることはあくまで中国側が事実として捉えてることやから、全てが真実ではないと思う。

でも、多かれ少なかれ日本が酷いことしたっていうのは、事実なんやと思った。両脛と肋骨に鉄杭が刺さってる9歳くらいの子供の遺骨とか、当時の日本国内の新聞記事も、殺した人数を競走してる陸軍の話を楽しい記事みたいに書いてた。

中はほぼ撮影禁止やったから、写真載せれへんのが残念。

んで、そういう展示がいくつかあって、その次に「瞑想の部屋」(名前はうろ覚え)があって、真っ暗な鏡張りの部屋に電球が星みたいにいっぱいぶら下がってて宇宙みたいになってる。その部屋の真ん中を歩く、暗くて静かな中歩きながら、いろいろ考える。。。そして、出口にこの文。

3行目と4行目はちょっと英語がおかしい気がするけど、意訳するとこんな感じかな?

亡くなった方の遺骨は、安らかに眠らせよう。

苦悩の魂たちは穏やかに休ませよう。

虐殺の刀(slaughtering sword)は警報を鳴らす鐘(warning bell)に変えよう。

亡くなった方の名前は歴史に刻もう。

子ども達が恐怖に怯えることがないようにしよう。

お母さん達が涙を流さないようにしよう。

戦争を人類から遠いものにしよう。

平和を世界中に広げよう。

その真っ暗な部屋出たら、

青空の下に「平和」って書かれた銅像が見える。

事実みせて、考えさせて、最後のメッセージ。資料館として素晴らしいと思ったし、なにより「日本=極悪」ってのを、全面に押し出してはいなかったこと、そういう伝え方を中国側がしてなかったことに少し安心した。

感想としては、日本も酷いことをしてたのは確実なんやなということ。そこは、日本人として忘れたらアカンなと。あと、戦争は人をおかしくするんやということ。んで、ありきたりやけど、戦争は良くないってこと。

資料館としての完成度も高くて、来てよかったーって思った・・・

・・・のに!

感動してたのに!!!

なんか、資料館の出口出て、右手に建物もう1個あって、何の案内もなく「予約者/緑のトンネル」って書いてる謎の看板立ててあるだけの建物。入口に警察官おったけど、強行突入してやったのさ。

したら、日中戦争から第2次世界大戦までの中国軍の資料館的なやつやったの。もうね、南京大虐殺資料館と全然雰囲気違うねん、戦勝国がどんな喜び方したか、負けた国ではどんなことが起こったか、終始「やったぜ!俺らは憎き日本に勝ったぜ!!」ってメッセージ性。

南京大虐殺資料館では日本兵のこと「troop(軍隊・兵士)」って表現やったのに、こっちの資料館では「invader(侵略者)」「aggression(侵略行為)」とか主に使ってるし、何よりこっちの資料館は日本語表記ゼロ。そこになんか作為感じた。残念ながらアタシ英語読めます。

しかも、資料館の半分くらいが、日本が負けてどうなって行ったかっていう内容。他の負けた国とは展示量が全っっ然違う。資料館の大部分が日本の負けた後の話。

出口に、とどめを指すかのように、「日本侵略軍に勝利したことは、現代で中国が初めて勝ち取った完璧な勝利である。(中略)さぁこの偉大なる歴史を心に刻もう!正義は勝つ!平和は広がる!the people will prevail(これどういう意味で解釈したらいいか分かりません。)」て高らかに掲げてあった。

戦勝国やねんから当たり前なんかもしれんけど、やっぱり、戦勝国って戦争を歴史的勝利やと思ってんねんなー。と落ちる。

先の南京大虐殺記念館の感動があった分、落ちる。
戦勝国の捉え方、感じられたって意味では来て良かったけど。けど、けど、けどーーー、、、、って、足取り重く南京駅に戻ったのでした。