おじぃちゃんの話 ~ラオス~

ベトナム~ラオスの国境越え中に出会ったおじぃちゃんの話。

同じバスに乗ってたイギリス人の太ったおじぃちゃん。67歳。

話してると、しきりに「アナタの人生に誇りを持ちなさい」的なことを言ってくるので、気になって話しかけてみた。

おじぃちゃん実はガンで、すでに数箇所に転移してる。

去年は1人で動くことも出来なくて、死にかけたって。

治療の結果、今は動けるぐらいになった。

それで、医者から抗がん剤治療勧められたけど、抗がん剤治療で苦しんで亡くなった友達を何人も見てきて、あんな死に方したくない。って、抗がん剤治療断ったんだって。それで、一人旅に出ることにしたらしい。

「俺は結婚もしてないし、家族もいないからね。旅に出る前に友達みんな呼んで、パーティーをしたんだ。みんなワインとかいっぱい持ってきてくれてね。で最後みんなに『じゃぁ、行くね』って言ってきたんだ。みんな『そうか、行くんだね』って言ってくれたよ。」

だって。映画みたい。『最高の人生の見つけ方』って映画思い出した。

話の途中で

「俺の人生は『今ここ』にあるんだ」

と言ってた。ガンが発覚して、旅に出てて、この発言するとかカッコ良すぎる。
というか、むしろ死というものを感じたからこそ、そう思えたのかな。

兼好法師もスティーブジョブズも言ってた。死ぬことを意識するから、今を大切にするんだ。って。

※最後に詳しく書きます。

言葉ではいろいろ言うことができる。でも、おじぃちゃんの場合は、今を生きるんだ!って心から思ってると感じた。目の前で心から自分の人生について語れる人には、なかなか出会えない。感謝。

太った身体で汗拭いながら、トゥクトゥクに乗り込んで「じゃぁね!」って、走り去ったおじぃちゃん。

見送りながら、おじぃちゃんこの先どうなるんやろー。とか、思ってる自分がいた。

いや、おじぃちゃんの人生は今なんやった、今を生きてるんやった!!って思い直して、笑顔でおじぃちゃんに手を振った。

兼好法師とスティーブジョブズの言葉

兼好法師

人、死を憎まば、生を愛すべし。存命の喜び、日々に楽しまざらんや。

~中略~

生ける間生を楽しまずして、死に臨みて死を恐れば、この理あるべからず。人皆生を楽しまざるは、死を恐れざる故なり。死を恐れざるにはあらず、死の近き事を忘るるなり。

現代語訳

人は死を憎むのであれば、生を愛するべきだ。どうして、生命の喜びを毎日楽しもうとしないのか。

~中略~

生きる事を楽しまないで、死が間近になってから死を怖れる。生きている事を楽しめないのは死を怖れないからだ。いや、死を怖れないのではない、死が近くにある事を忘れているだけである。

(徒然草93段より)

スティーブジョブズ

こうした経験(自身が膵臓ガンで1度余命宣告を受けたこと)をしたことで、以前の私にとって、有用だがただ頭の中の概念に過ぎなかった死について、今は多少の確信を持って言えます。

誰も死にたいと思っている人なんていません。天国に行きたいと願う人ですら、まさかそこに行くために死にたいとは思いません。
それにも関わらず死は誰もが到着する終着点です。かつて死から逃れられた人は誰一人としていません。それは、そうあるべきなのです。

何故なら、死は生が生んだ唯一無比の、最高の発明だからです。

~中略~

しかしいつか遠くない将来、君たちもだんだん古きものになり消え去る日が来ます。
とてもドラマチックな言い方かもしれないけれど、それが真実なのです。

あなたたちの持つ時間は限られています。自分以外の誰かの人生に自分の時間を費やす時間などありません。
他人の考え方が生んだドグマ(常識や固定概念)という罠に掛かってはいけません。
他人の雑音に自分の内なる声や心、直感を打ち消されないことです。
自分の内なる声、心、直感というのは、あなたたちが本当に望んでいる姿は何か、既に知っているのです。
だからそれ以外のことは全て、二の次で構わないのです。

(スタンフォード大学卒業式でのスピーチより)

いつか死ぬということ忘れずに、一度しかない人生を、今ここにある人生を全力で生きる。

おじぃちゃんと話せて、改めて強く思いました。ありがとう、おじぃちゃん。

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